■別紙
■記載
■本件
本件日経225先物取引,別紙E記載の本件日経22 5オプション取引及び別紙D記載の本件業種別株価指数先物取引は, いずれも特定の個別銘柄の価格操縦を行う目的でされたものではない。
また,被告Y1は,本訴が提起されるまで,上記各取引が行われてい たことを知らなかった。
- 20 - (イ) 本件J−NET取引について 本件J−NET取引は,原告とは別個独立の法人であるA社が行った 取引である。
すなわち,被告Y1は,J−NETによる取引システムを 納入したC社に対し,X市場でJ−NETによるマーケティング取引を 実行することを依頼し,次いでC社がD社に同取引の実行を再依頼し, さらにD社がA社に同取引の実行を再々依頼し,A社がマーケティング 取引として本件J−NET取引を行ったのである。
原告の職員であるj が,A社に対し,被告Y1の指示に従って本件J−NET取引について の助言をしたことはあるが,本件J−NET取引を行うことを決定し, その取引主体となったのは,原告とは別個独立のA社であり,被告Y1 が原告の職員に指示してA社名義を用いて本件J−NET取引を行わせ たという事実はない。
したがって,原告とは別個独立の法人であるA社 によってされた本件J−NET取引について,被告Y1の原告に対する 善管注意義務違反が問題とされる余地はなく,原告の主張は失当である。
また,本件J−NET取引は,特定の株式の価格を不当に操縦すると いう目的でされたものではなく,適法に認可を受けて原告において新た に開始されるJ−NET取引の内容や利便性,安全性を会員証券会社に 正しく理解してもらい,J−NET取引を軌道に乗せて定着させるため に,いわばデモンストレーションとして行われたものであり,J−NE T取引の円滑化に資するという証券取引法の目的に即して行われたもの である。
さらに,J−NET取引は,相対交渉方式により株券売買を行う取引 であり,本件J−NET取引は,値段及び数量について原告が定める値 段(代金)に従い,相手方と交渉を行い,合意に至った場合に当該合意 内容で売買取引が成約したものである。
したがって,本件J−NET取 引は,証券取引法の禁止するなれ合い取引に該当するものではない。
- 21 - なお,本件J−NET取引に要した費用は,原告が開始するJ−NE T取引の定着を図るために原告が委託したマーケティング取引に関する 費用であるから,原告が負担すべきものである。
そして,原告は,適正 な内部決裁手続を経て,同費用をC社に支払った。
したがって,被告Y 1が独断で同費用の支出を決定したものではない。
(ウ) 以上のとおり,本件各取引は,いずれも,原告とは別個独立の法人 でるA社及びB証券会社が行ったものであり,被告Y1の原告に対する 善管注意義務違反が問題とされる余地はない。
また,証券取引法159条は,詐欺的行為を包括的に禁止する同法1 57条の規定を受けて,詐欺的行為のうち特に証券取引市場における相 場操縦という具体的な形をとるものを対象として禁止している規定であ り,取引が「相場を変動させるべき取引」に該当するか否かによって禁 止される取引かそうでない取引かが区別されるものと解される。
そうす ると,同法159条1項にいう「取引が繁盛に行われていると誤解させ る等これらの取引の状況に関し他人に誤解を生じさせる目的」について も,相場操縦すなわち人為的な価格操縦を行うという目的を伴うもので あることを必要とすると解される。
したがって,同項が規制する仮装取 引やなれ合い取引とは,人為的な価格操縦を行うという目的を伴ったも のをいい,同目的を伴わない取引は,同項による規制の対象とはならな いものである。
本件各取引は,原告における有価証券の売買取引等の円 滑化や取引の流動性を高めるために行われたものであって,価格操縦を 行う目的で行われたものではないから,上記の同条の立法趣旨等からす れば,同条1項所定の仮装取引又はなれ合い取引に該当するものではな い。
【被告Y2の認否,主張】 ア認否 - 22 - 【原告の主張】のうち,事実に関する主張は不知,法的主張は争う。
イ主張 (ア) 被告Y1に原告主張の善管注意義務違反がないことについての被告 Y1の主張を援用する。
したがって,被告Y1に善管注意義務違反が認 められない以上,被告Y2に監視監督義務違反が生じる余地はない。
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(イ) 被告Y2は,以下のとおり,原告の主張する被告Y1による違法取 引や違法な収益の付け替えを全く認識していなかったし,認識すること もできなかった。
したがって,被告Y2には,原告主張の善管注意義務 違反はない。
a 被告Y2は,そもそもA社の存在すら知らなかった。
b 被告Y2は,原告からC社へ5億円が貸し付けられたという事実自 体を知らない。
仮にそのような貸付けがされた事実があったとしても, それについては,稟議対象とされていなかったから,決裁者として 「貸付金の使途や必要性等を厳格に検討し確認すべき注意義務」を負 うことはない。
c 被告Y2は,平成10年9月30日に被告Y1から資料に基づく説 明を受けたことによって,原告が主張するような違法取引や違法な収 益の付け替えを認識したことはないし,また認識することもできなか った。
(2) 争点?(B証券会社の設立に関する被告らの善管注意義務違反の有無) 【原告の主張】 アB証券会社の設立経緯 (ア) 被告Y1は,平成9年10月ころ,X市場で有価証券の売買取引等 が頻繁に行われていると見せかけることや値付け(スダレ防止)のため の取引を行わせることを目的として,このような取引を行う証券会社と してB証券会社を設立することを企図し,被告Y1及び原告の総合企画 - 23 - 部長のdが出資関係等を検討し,同部企画課の職員が設立事務手続を担 当した。
当初の構想では,H社が発起人になることが予定されていた。
すなわ ち,平成10年5月ころに作成された「B証券会社?の概要」と題する 内部資料では,C社とI社が各50%ずつ出資してH社を設立し,同社 の全額出資によりB証券会社を設立するものとされており,業務内容等 に関して,下記a〜dの事項が挙げられている。
a 電子取引による取引 ディーリング,トレーディング,マーケットメイキング,北浜振興 取引を行う。
b 具体的には,現物株についての北浜振興取引(スダレ防止)並びに 株券オプションについての北浜振興取引(スダレ防止)及びマーケッ トメイキング取引(流動性向上)を行う。
c 北浜振興取引及びマーケットメイキング取引は,X市場の維持,振 興のため行う取引であるので,原告自らの負担において行うべきもの である。
d しかしながら,原告は,自ら取引の当事者となることができないの で,必要な経費を負担しつつ,取引を他の取引主体に委託し,北浜振 興取引及びマーケットメイキング取引を実現しようとするものである。
(イ) B証券会社の証券業免許申請に関して,同年3月27日,予備審査 申請書案が証券会社の監督等を担当する大蔵省証券局証券業務課(以下 「証券業務課」という。
)に提出された。
上記申請書案の審査において,有価証券市場の監督等を担当する大蔵 省証券局証券市場課(以下「証券市場課」という。
)の担当官から,原 告が,B証券会社と資本関係を有し,B証券会社に対して実質的な経営 支配が可能となることは,証券取引所市場の公正さを損なうとの指摘を - 24 - 受け,原告との資本関係を希薄化することなどを指導された。
被告Y1 は,同指導等への対応策として,最終的に,B証券会社の持株会社とし てJ社を設立し,B証券会社の設立資金9億8000万円は,H社が1 0億円を銀行から借り入れ,これを更にJ社に貸し付け,J社の出資に よりB証券会社を設立することとし,その旨,証券市場課に説明した。
しかし,上記9億8000万円の設立資金は,実際には,原告から原 告の100%子会社であるC社に対して平成10年10月1日に10億 円が貸し付けられ,C社がこの10億円を更にD社に貸し付け,D社に おいてこの10億円を用いて国債を購入し,H社が同国債を担保として 丙銀行から10億円を借り入れ,H社がそのうちの9億8000万円を J社に貸し付けることにより工面された。
被告Y1及びdは,B証券会社の証券業免許申請に係る証券業務課及 び同課の業務の移管を受けた金融監督庁証券監督課(以下「証券監督 課」という)の担当者と。
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